2014.06.16
慶大医学部、世界初の脊髄治療 治験開始へ
慶応大学医学部は、事故などで傷めた直後の脊髄を、HGFという特別なタンパク質を使って再生する世界初の治験を、2014年6月から始めると発表した。
慶応大学医学部の岡野栄之教授らのチームは、肝細胞増殖因子(HGF) というタンパク質を、マウスなどの脊髄に注入したところ、神経の細胞の死滅を防ぎ、細胞を再生させた。
そこで、治験では人工的に作ったHGFを脊髄の損傷から3日後以降に、患者の腰に1週間に一度、合計5回、注入し、リハビリも行って、半年後の回復状態を確かめる。28か月ほどかけて48人の患者で効果と安全性を確認し、脊髄損傷直後の治療法を確立する。その後、iPS細胞などと組み合わせて、脊髄損傷から6か月以上の「慢性期」の患者の治療にも役立てたいとしている。