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Vol.15,April 2019

森本聡氏

株式会社生命科学インスティテュート 取締役 常務執行役員 再生医療部門長 兼 殿町CPC長

1.設立の背景、事業内容と目的

ライフイノベーションセンターに我々が殿町CPCという施設を開いたのは、我々が今開発しているMuse 細胞を用いた再生医療等製品の研究開発の為です。現在、このMuse 細胞は2018 年 1 月に急性心筋梗塞、それから 9 月には脳梗塞、12 月には表皮水疱症を対象疾患とした臨床試験を 開始しました。

開発が順調に進めば、2020 年度に製造販売承認申請を行い、翌年には製造販売承認取得を目指しています。 非臨床試験で他の疾患で効果が確認できれば、それらの疾患にも適応を拡大して、人での臨床試験を実施する予定です。そのための製品の製造拠点として殿町CPCを設立しました。

私どもの事業内容ですが、このMuse 細胞を用いた再生医療等製品の研究開発、製品の製造です。
目的はやはり非臨床、それから人での臨床試験用の製品の製造、製造販売承認後の商品の提供の為の様々なデータ取り、それから実際の製品の製造を担う製造所として期待しています。

2. 予定している研究・事業内容と実施方法、その考え方

ここでやろうとしているのは、細胞製品の生産をいかに安定的に実施するか、ということを検討する事です。細胞は生きていますので、出発原料の調達をどうするのか、それから細胞をどうやって増やしていくのか、その細胞をいかにきれいにして、最後どのように保管するのか。今までの医薬品ではなかった方法、手法が必要になるので、そのような工夫を検討していきたいと考えています。

通常の医薬品との大きな違いは滅菌、すなわち菌を殺すという操作が行えない、という事です。従って製造の過程でいかに無菌性、菌が混ざらないようにするのかを検討する、それを保つのが非常に重要なポイントです。

それから、生きている細胞を扱いますので、やはり環境、それから安全性に関しても細心の注意を払っていきたいと考えています。その上で皆様が使いやすい製品を供給していきたいと考えています。

3.新しい発見と特徴

我々が扱っているMuse細胞は、2010年に東北大学の出澤教授によって発見された、我々の体内に存在する多能性幹細胞です。多能性幹細胞という言葉は珍しい言葉ですが、体の色々な部分の細胞になれる能力を持った細胞だという事です。

このMuse細胞を静脈の中に入れると、疾患箇所からの信号を受け取って、その部位に集積してそのMuse細胞が定着し、さらに、そのMuse細胞は自発的に集積した箇所の組織に変化していって、その組織を修復する、というのが特徴です。

先ほど述べましたように、実用性についても、まず、体内に存在していることから安全性が高い事が期待されます。また健康な細胞提供者からの細胞で製造を行うことができるということから、この方法で作られた細胞は凍結保存が可能です。

投与も注射でできることから、例えば手術の様な高度な(*)設備を備えていない医療機関でも使っていただけると期待しています。Muse細胞製品については試験で効果を確認しており、現在は患者さんで安全性や効果を臨床試験で確認中です。

4. 今後の発展、応用、社会貢献

我々の Muse 細胞事業は、現在の治療方法では解決できなかった疾患の治療機会の提供ができる、その可能性を秘めていると考えております。現在は、急性心筋梗塞、脳梗塞、表皮水疱症の 3 つの疾患を対象とした、人での臨床試験を実施しています。そして、そこで安全性や有効性を確認している段階です。

今後も継続して、各種非臨床試験で効果が確認できたものからヒトでの応用に向けて臨床試験を実施していきます。

再生医療は、ともすれば高度な施設が必要とされますが、本製品はそのような施設でなくても使っていただけると考えており、再生医療を益々身近な治療法として、失った体の機能回復に少しでも貢献できればと考えております。

5.キング スカイフロントへの期待

キングスカイフロントは、羽田国際空港の対岸に位置しているという、非常に大きな利点があると考えています。

まずはこの国際空港を利用して、製品を日本国外に提供するといった時に便利ですし、そういった意味での国際展開には非常に有利な場所だと考えています。また、国際空港ですから、日本国内国外の先生方に気軽に寄っていただけるという事も大きな利点だと考えています。

また、キングスカイフロントには再生医療企業の集積が非常に行われていますので、その辺もお互いにノウハウ、知識というものを交換しながら、その優位性も生かしながら、我々としては新しい事業機会を得ることを期待しています。

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